用語名称(日本語、外国語)
ナッツ
英語:nuts
フランス語:noix
ドイツ語:Nüsse
意味
ナッツとは、かたい殻や皮に包まれた、食用の果実や種子のことを指します。植物学的に厳密な分類ではなく、料理や製菓の現場で使われる慣用的なくくりだと考えると分かりやすいでしょう。
ここで一つ注意したいのが、ピーナッツ(落花生)の扱いです。名前に「ナッツ」と付いていますが、ピーナッツはマメ科の植物で、土の中で実をつける「豆類」に分類されます。木の実ではないため、植物学的には本来のナッツとは別ものです。とはいえ、お菓子作りでは食感や風味が近いことから、ナッツと同じ感覚で使われる場面が多くあります。
製菓で「ナッツ」と言うとき、一般的に思い浮かべられるのは次のような種類です。
- アーモンド:製菓で最も使用頻度が高く、粉末(アーモンドプードル)にしてフィナンシェやマカロンの生地に練り込まれます。スライスやダイスにしてトッピングにも使われます。
- クルミ:ほろ苦さとコクがあり、パウンドケーキやブラウニー、クッキーと相性がよい種類です。
- ヘーゼルナッツ:チョコレートとの組み合わせが有名で、ペースト状にしたものが「ジャンドゥーヤ」や「プラリネ」の材料になります。
- ピスタチオ:鮮やかな緑色を生かし、ジェラートやケーキのクリーム、飾りに用いられます。
- カシューナッツ:ややクセが少なく、ほんのり甘みがあるため、焼き菓子やチョコレート菓子に使われます。
- マカダミアナッツ:濃厚でバターのような風味があり、クッキーやチョコレートに人気です。
- ペカン(ピーカンナッツ):クルミに近い風味で、アメリカの「ペカンパイ」で広く知られています。
なお、栗(くり)や銀杏(ぎんなん)も種実類の仲間ですが、製菓でこれらを「ナッツ」と呼ぶことはあまりなく、それぞれの名前で扱われるのが一般的です。
用語を使う場面・対象となる食品
製菓でナッツが登場する場面は幅広く、大きく分けると次のような使い方があります。
生地に練り込む使い方では、粉末状にしたアーモンド(アーモンドプードル)が代表例です。マカロン、フィナンシェ、ダックワーズといった焼き菓子は、アーモンドの粉がないと成り立たないものも少なくありません。
トッピングや飾りに使う場合は、スライスアーモンドやダイス状に刻んだナッツを生地の表面にのせて焼き上げます。香ばしさと見た目のアクセントを加える役割を果たします。
ペーストやクリームに加工する使い方も重要です。ヘーゼルナッツやアーモンドを砂糖と一緒に煮詰めてすりつぶした「プラリネ」、チョコレートと合わせた「ジャンドゥーヤ」などは、ボンボンショコラやケーキの土台になります。
そのまま味わう菓子としては、ナッツをキャラメルやチョコレートでコーティングしたものや、はちみつ漬けにしたものなどがあります。
ナッツを使うときの下ごしらえとして、軽く焼く「ロースト」という工程がよく行われます。火を通すことで香りが立ち、食感も心地よくなるためです。ただし、生地に混ぜ込む前は粗熱をしっかり取ってから加えるのが基本です。温かいまま入れると生地がだれてしまうことがあるので、この点は覚えておくとよいでしょう。
ナッツとアレルギー表示について
お菓子作りでナッツを扱ううえで欠かせないのが、食物アレルギーへの配慮です。とくに販売を目的とする場合は、容器包装された加工食品にアレルギー表示の義務があります。ここは年々ルールが変わっている部分なので、最新の状況を押さえておきましょう。
食品表示のルールでは、アレルギーを起こしやすく表示の必要性が特に高いものを「特定原材料」と呼び、表示が義務づけられています。ナッツに関わるものとしては、2023年に「くるみ」が追加されました。さらに2026年4月1日には「カシューナッツ」が新たに特定原材料へと加えられています。これにより、義務表示の対象は卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・えび・かに・くるみ・カシューナッツの9品目となりました。ただしカシューナッツについては、事業者が表示を切り替えるための経過措置期間が2028年3月31日まで設けられています。
また、義務ではないものの「できる限り表示するよう推奨されている」品目(特定原材料に準ずるもの)として、アーモンド、ピスタチオ、マカダミアナッツが含まれます。マカダミアナッツは2024年の改正で新たに推奨品目へ追加されました。
落花生(ピーナッツ)は前述のとおり植物学的には豆類ですが、アレルギー表示の上では古くから義務表示の対象になっています。木の実ではないからといって油断はできない、という点に気をつけてください。

