「麻疹(はしか)」と聞くと、子供の頃にかかる病気というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、麻疹は大人もかかる可能性があり、重症化すると命に関わることもある非常に感染力の強い病気です。
この記事では、麻疹の症状、感染経路、予防接種、最新の流行状況まで解説します。
正しい知識を身につけ、麻疹から自身と大切な人を守りましょう。
麻疹(はしか)とは
麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。感染力が非常に強く、空気感染によって人から人へと感染が広がります。
かつては子供を中心に多くの人がかかる病気でしたが、ワクチンの普及により患者数は減少しました。しかし、近年では海外からの輸入症例や、ワクチン未接種者を中心とした国内での流行も報告されており、注意が必要です。
麻疹ウイルスの特徴
麻疹ウイルスは、パラミクソウイルス科に属するRNAウイルスです。感染力が非常に強く、感染者の咳やくしゃみなどによって空気中に放出されたウイルスを吸い込むことで感染します。また、麻疹ウイルスは非常に生存能力が高く、空気中や物に付着した状態で数時間生存することができます。
麻疹の歴史
麻疹は、古代エジプト時代から存在していたと考えられています。日本でも、奈良時代の書物に麻疹と思われる病気の記録が残っています。かつては「命定め」と呼ばれるほど恐ろしい病気であり、多くの子供たちの命を奪ってきました。しかし、1960年代に麻疹ワクチンが開発され、世界中で予防接種が行われるようになったことで、患者数は激減しました。
麻疹の症状
麻疹の潜伏期間は、通常10~12日間です。潜伏期間後、以下のような症状が現れます。
初期症状
麻疹の初期症状は、風邪に似た症状で、発熱、咳、鼻水、結膜炎(目の充血)、倦怠感などが見られます。特に、目の充血は麻疹の特徴的な症状の一つです。
発疹の経過
初期症状が現れてから3~4日後、39℃以上の高熱とともに、顔や首から全身に赤い発疹が現れます。発疹は、最初は小さな赤い斑点ですが、次第に融合して地図状になることもあります。発疹は、3~4日程度でピークを迎え、その後徐々に消えていきます。発疹が消えた後、色素沈着が残ることがあります。
合併症
麻疹は、肺炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。特に、乳幼児や免疫力が低下している人は、重症化するリスクが高いです。合併症として、中耳炎、クループ症候群、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などが報告されています。
大人が麻疹を発症した場合
大人が麻疹を発症した場合、子供よりも重症化する傾向があります。特に、妊娠中の女性が麻疹にかかると、流産や早産のリスクが高まります。
麻疹の感染経路
麻疹は、非常に感染力が強い病気です。主な感染経路は以下のとおりです。
空気感染
麻疹ウイルスは、感染者の咳やくしゃみなどによって空気中に放出され、それを吸い込むことで感染します。空気感染は、麻疹の最も一般的な感染経路です。
飛沫感染
感染者の咳やくしゃみなどによって飛び散った飛沫を吸い込むことによっても感染します。
接触感染
感染者の唾液や鼻水などに直接触れることによっても感染することがあります。
感染力について
麻疹の感染力は非常に強く、麻疹ウイルスに対する免疫力を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症すると言われています。
麻疹の予防
麻疹の予防には、予防接種が最も有効です。
予防接種(MRワクチン)
日本で定期接種として使用されているのは、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)です。MRワクチンは、2回の接種が推奨されており、1回目は1歳、2回目は小学校入学前の1年間に行われます。
予防接種の効果
MRワクチンを2回接種することで、ほぼ100%の人が麻疹に対する免疫を獲得することができます。
定期接種と任意接種
定期接種の対象者は、公費で予防接種を受けることができます。定期接種の対象年齢以外で予防接種を希望する場合は、任意接種となり、費用は自己負担となります。
ワクチンの副反応
MRワクチンは、比較的安全なワクチンですが、接種後数日以内に発熱や発疹などの副反応が見られることがあります。重篤な副反応は非常にまれです。
麻疹の治療
麻疹には、特効薬はありません。治療は、症状を緩和するための対症療法が中心となります。
対症療法
発熱や咳などの症状に対して、解熱剤や鎮咳薬などが使用されます。脱水症状を防ぐために、水分補給も重要です。
合併症の治療
合併症を発症した場合は、それぞれの合併症に応じた治療が行われます。
入院の必要性
重症化した場合は、入院して治療を受ける必要があります。
治療薬について
現在、麻疹に対する特効薬はありません。しかし、ビタミンAが麻疹の重症化予防に有効であるという報告があります。
麻疹の最新情報
麻疹は、世界中で流行している感染症です。特に、発展途上国では、多くの患者が発生しています。
国内の流行状況
日本では、2019年に海外からの輸入症例や、ワクチン未接種者を中心とした国内での流行が報告されました。近年でも海外からの輸入症例が見られています。
海外の流行状況
世界保健機関(WHO)によると、2023年には、世界中で麻疹の患者が急増しています。特に、アフリカや東南アジアでは、多くの患者が発生しています。
注意すべき地域
麻疹の流行地域への渡航を計画している場合は、事前に予防接種を受けることが重要です。
最新の研究
麻疹ウイルスに関する研究は、世界中で行われています。新しい治療法や予防法の開発が進められています。
麻疹に関するよくある質問
過去に麻疹にかかった人は、再度かかることはありますか?
一度麻疹にかかると、終生免疫を獲得するため、基本的に再度かかることはありません。
妊娠中に麻疹にかかると、お腹の赤ちゃんに影響はありますか?
妊娠中に麻疹にかかると、流産や早産のリスクが高まります。
麻疹の疑いがある場合、どうすればいいですか?
麻疹の疑いがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。受診の際は、事前に医療機関に連絡し、麻疹の可能性があることを伝えてください。
まとめ
麻疹は、非常に感染力が強く、重症化すると命に関わることもある病気です。しかし、適切な予防接種を受けることで、麻疹から自身と大切な人を守ることができます。
この記事で得た知識を参考に、麻疹に対する正しい理解を深め、適切な予防と対策を行いましょう。