【2025年最新】日本の平均年収は478万円|給与階級別データで見る「本当のボリュームゾーン」

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「日本の平均年収は478万円」という数字を目にして、「自分はそんなにもらっていない」と感じた人は少なくないはずです。周囲を見渡しても、478万円という金額に実感が伴わないという声はよく聞かれます。

じつは、その違和感には理由があります。「平均」という言葉には、一部の高収入層が全体の数字を押し上げてしまうという性質があるからです。平均年収の数字だけを見ても、多くの人が実際に位置している収入帯(ボリュームゾーン)は見えてきません。

この記事では、国税庁が2025年9月に公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに、日本の平均年収の実態を、給与階級別の詳しいデータとあわせて解説します。数値はすべて同調査の公表値に基づいており、推測で補った箇所はありません。

目次

日本の平均年収は「478万円」で4年連続の増加

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円でした。前年(令和5年分)と比べて3.9%、金額にして18万円の増加です。平均給与が増えたのは、これで4年連続となります。

男女別に見ると、次のような違いがあります。

・男性の平均給与:587万円(前年比3.2%増、18万2,000円の増加) ・女性の平均給与:333万円(前年比5.5%増、17万4,000円の増加)

男性と女性では、平均で254万円もの差があります。伸び率では女性が男性を上回りましたが、増加した金額そのものは男性のほうがわずかに大きいという結果でした。

対象となった給与所得者の平均年齢は47.2歳、平均勤続年数は12.6年です。ここでいう「1年を通じて勤務した給与所得者」とは、令和6年の1月から12月まで引き続き勤務し、給与を受け取った月数が12か月に達する人を指します。この条件に当てはまる人は、全国で5,137万人にのぼります。

なお、平均給与478万円の内訳は、給料・手当が403万円、賞与(ボーナス)が75万円です。賞与が給与全体に占める割合は18.5%となっています。

平均年収の「478万円」は真ん中ではない

ここで注意したいのは、478万円という数字が「日本で最も多い年収帯」や「ちょうど真ん中」を表しているわけではない、という点です。

平均給与は、すべての給与所得者の給与を合計し、それを人数で割って算出します。この計算方法では、年収数千万円といった一部の高収入層が全体を大きく引き上げます。その結果、平均値は、多くの人が実際にいる収入帯よりも高めに出やすくなります。

実態をつかむには、「年収ごとに何人いるのか」という分布に目を向ける必要があります。次の章で、給与階級別のデータを詳しく見ていきましょう。

年収ごとの給与所得者数と割合(給与階級別分布)

国税庁の調査では、給与所得者を年間給与額100万円ごとの階級に分けて集計しています。以下は、「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに作成した、給与階級別の給与所得者数と割合の一覧です。

年収ごとの給与所得者数と割合

給与階級男性(人数)男性(割合)女性(人数)女性(割合)計(人数)計(割合)
100万円以下103.4万人3.5%290万人13.1%393.4万人7.7%
100万円超 200万円以下163.5万人5.6%407.2万人18.4%570.7万人11.1%
200万円超 300万円以下255.6万人8.7%421.1万人19.0%676.7万人13.2%
300万円超 400万円以下417.5万人14.3%408.2万人18.5%825.8万人16.1%
400万円超 500万円以下493.1万人16.9%293.9万人13.3%787万人15.3%
500万円超 600万円以下429万人14.7%177万人8.0%605.9万人11.8%
600万円超 700万円以下301.9万人10.3%88.8万人4.0%390.7万人7.6%
700万円超 800万円以下223.2万人7.6%47.8万人2.2%271万人5.3%
800万円超 900万円以下146.7万人5.0%27.4万人1.2%174.1万人3.4%
900万円超 1,000万円以下105.1万人3.6%15.8万人0.7%120.8万人2.4%
1,000万円超 1,500万円以下205.9万人7.0%24.7万人1.1%230.6万人4.5%
1,500万円超 2,000万円以下50.9万人1.7%6.7万人0.3%57.6万人1.1%
2,000万円超 2,500万円以下13.1万人0.4%1.6万人0.1%14.7万人0.3%
2,500万円超16.1万人0.6%1.3万人0.1%17.4万人0.3%

※国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」より作成

最多層は「300万円超400万円以下」

男女を合わせた場合、最も人数が多いのは「300万円超400万円以下」の層で、825.8万人(構成比16.1%)でした。次いで多いのが「400万円超500万円以下」で787万人(同15.3%)です。この2つの階級を合わせると、全体の3割強にあたる給与所得者が「300万円超500万円以下」の範囲に集まっていることがわかります。

平均給与478万円は、まさにこのボリュームゾーンの上限付近に位置しています。日本で最も人数が多い年収帯は300万円台であり、平均値はそれより一段高い位置にあるという構図です。

年収500万円以下が全体の6割超

表の最下段が示すとおり、年収500万円以下の給与所得者は、男女計で5,136.6万人、全体の63.4%を占めています。つまり、平均給与478万円に届いていない人のほうが、実際には多数派だということです。

男女別に見ると、この差はさらにはっきりします。年収500万円以下の割合は、男性で49.0%、女性で82.3%です。女性は8割を超える人が500万円以下の収入帯にいる一方、男性はおよそ半数がその範囲に収まっています。

高収入層は少数だが平均を押し上げている

反対に、高い収入帯を見てみましょう。年収1,000万円を超える層(1,000万円超1,500万円以下から2,500万円超までの合計)は、男女計でおおむね全体の6%台にとどまります。人数としては少数派です。

ただし、この層には年収2,000万円を超える給与所得者も含まれています。2,000万円超2,500万円以下が14.7万人(0.3%)、2,500万円超が17.4万人(0.3%)です。人数こそ少ないものの、こうした高収入層の給与が全体の合計額を押し上げ、平均値を引き上げる要因となっています。「平均478万円」という数字と生活実感がずれる背景には、この分布の偏りがあるのです。

男女で異なる分布の山

給与階級別の分布は、男女で山のできる位置が明確に異なります。

男性で最も多いのは「400万円超500万円以下」で493.1万人(構成比16.9%)、次いで「500万円超600万円以下」の429万人(同14.7%)です。分布の山は、比較的高い収入帯にあります。

これに対して女性は、「200万円超300万円以下」が421.1万人(同19.0%)と最も多く、2番目は「300万円超400万円以下」の408.2万人(同18.5%)でした。女性の分布は、男性よりも低い収入帯に山があります。この違いが、男女の平均給与の差につながっています。

平均年収に差が出る3つの要因

平均年収は、働き方や勤務先によっても大きく変わります。調査結果から見えてくる、代表的な3つの要因を紹介します。

1. 雇用形態(正社員か、そうでないか)

雇用形態による差は非常に大きなものです。正社員(正職員)の平均給与が545万円だったのに対し、パート・アルバイトなど正社員以外の平均給与は206万円でした。その差は339万円にのぼります。正社員の給与は、正社員以外の約2.6倍という計算です。

さらに男女別で見ると、正社員は男性609万円・女性430万円、正社員以外は男性271万円・女性174万円となっています。

2. 事業所の規模

勤務先の従業員数によっても、平均給与に違いがあります。従業員10人未満の事業所では392万円ですが、規模が大きくなるほど水準は上がる傾向にあります。従業員1,000〜4,999人の事業所では547万円に達しました。おおむね、大きな組織で働くほうが平均給与は高いという傾向が読み取れます。

3. 業種

業種による差も見逃せません。平均給与が高い業種と低い業種を並べると、次のようになります。

平均給与が高い上位3業種は、電気・ガス・熱供給・水道業が832万円、金融業・保険業が702万円、情報通信業が660万円です。インフラや金融、IT系の業種が上位を占めています。

反対に平均給与が低い下位3業種は、宿泊業・飲食サービス業が279万円、農林水産・鉱業が348万円、サービス業が389万円でした。14業種のうち、300万円を下回ったのは宿泊業・飲食サービス業だけです。

最も高い電気・ガス・熱供給・水道業(832万円)と、最も低い宿泊業・飲食サービス業(279万円)の差は553万円にもなります。同じ「給与所得者」でも、どの業種で働くかによって収入は大きく変わるのです。

過去10年で平均年収はどう変わったか

平均給与は、長い目で見ると少しずつ上がっています。平成27年(2015年)の平均給与は423万円でした。それが令和6年(2024年)には478万円となり、10年でおよそ55万円増えた計算です。

とくに直近では、賃上げの動きが数字にあらわれています。低い収入帯の割合が縮小し、中間層や高収入層がじわりと増える形で、分布全体がやや上方向にシフトしています。背景には、最低賃金の引き上げや、物価高を受けた企業の賃上げが相次いだことがあると見られます。

ただし、額面の給与が増えても、生活が楽になったと感じにくいのも事実でしょう。物価の上昇や社会保険料の負担増があるため、手元に残る「手取り」は、額面ほどには増えていないという面があります。今回の調査が示すのはあくまで額面ベースの給与水準であり、実際の暮らしやすさは、そこから税金や社会保険料を差し引いた後の金額に左右されます。

まとめ|「平均」との比較より、自分の位置を知ることが大切

「令和6年分 民間給与実態統計調査」から見えてきたポイントを整理します。

日本の平均給与は478万円で、4年連続の増加となりました。ただし、最も人数の多い年収帯は「300万円超400万円以下」であり、年収500万円以下の層が全体の63.4%を占めています。平均478万円という数字は、一部の高収入層に引き上げられた結果であって、多くの人が実際にいる位置はそれより下にあります。

平均年収は、雇用形態・事業所の規模・業種によっても大きく変わります。だからこそ、平均という一つの数字と自分を単純に比べて、一喜一憂する必要はありません。

大切なのは、自分がどの収入帯に位置しているのかを客観的に把握したうえで、これからのキャリアをどう描くかを考えることです。統計データは、そのための手がかりになります。自分の業種の水準や強みをあらためて見つめ直すきっかけとして、こうした調査結果を活用してみてはいかがでしょうか。

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