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BMIとは?計算方法から肥満・メタボの判定基準まで、知っておきたい体重の話

健康診断で必ず目にする「BMI」という数値。なんとなく「太り具合の目安」とは知っていても、その計算方法や判定基準、背景にある健康リスクまで正確に説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。この記事では、BMIの基礎知識から、大人・子ども・妊婦それぞれの判定基準、肥満やメタボリックシンドロームとの関係までを、公的機関の情報をもとにわかりやすく整理します。

目次

BMIとは

BMIの正体と豆知識

BMIは「Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)」の頭文字を取ったもので、日本語では「体格指数」と訳されます。身長と体重という2つの数値だけで、肥満や低体重の程度を判定できる国際的な指標です。

この指標のルーツは19世紀にまでさかのぼります。考案したのはベルギーの統計学者アドルフ・ケトレー。もともとは人間の体格を統計的にとらえるための研究から生まれたもので、かつては「ケトレー指数」とも呼ばれていました。「BMI」という名称が広く使われるようになったのは1970年代以降のことです。長い歴史を持つ指標が、いまも世界共通のものさしとして使われているわけです。

日本では、統計上、最も病気にかかりにくいとされるBMIは22.0とされています。これは糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病に最もかかりにくい数値であることが、調査から導き出されたものです。

肥満とは何か

まず押さえておきたいのが、「肥満」という言葉の意味です。単に体重が重いことを指すのではありません。厚生労働省の定義では、肥満とは「体脂肪が過剰に蓄積した状態」を指します。つまり、体重の中身が問題なのです。

日本肥満学会では、BMIが25以上のものを肥満と分類しています。さらにBMI35以上は「高度肥満」と区分され、より注意が必要な状態とされます。

ここで大切なのは、「肥満」と「肥満症」は別物だという点です。肥満はあくまで太っている状態を指す言葉で、それ自体は病気ではありません。一方、肥満に伴って健康を脅かす合併症がある場合、あるいはそのリスクが高い場合は「肥満症」と診断され、医学的な減量治療の対象になります。

なお、同じBMIでも、脂肪がどこについているかで健康への影響は変わります。お腹の内側(腹腔内)に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満(リンゴ型)」は生活習慣病のリスクが高く、腰やももに皮下脂肪がつく「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)」はそうした症状が比較的出にくいとされています。

メタボリックシンドロームとの関係

「メタボ」の略称でおなじみのメタボリックシンドロームは、別名「内臓脂肪症候群」といいます。ここで注意したいのは、メタボは肥満かどうかとは別の基準で診断されるという点です。

具体的には、内臓脂肪の蓄積(腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)に加えて、血圧・血糖・血清脂質のうち2つ以上が基準値から外れている場合に診断されます。つまり、BMIが25未満で肥満に分類されない人でも、内臓脂肪がたまっていればメタボと診断されることがあるのです。

見過ごせない健康リスク

肥満やメタボが問題視されるのは、さまざまな病気の引き金になるからです。糖尿病、脂質異常症、高血圧症、そして心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性の疾患。これらは命に関わることもあります。

特にメタボリックシンドロームは、複数のリスク要因が重なることで、動脈硬化が進みやすくなる点が怖いところです。一つひとつの数値は「少し高め」程度でも、それらが重なると危険度が跳ね上がります。だからこそ、早い段階で内臓脂肪を減らす対策が求められます。

一方で、痩せすぎ(低体重)にもリスクがあることは見落とされがちです。WHOは、BMIが16.0未満になると健康を損なう危険性が著しく高まると指摘しています。「BMIは低ければ低いほどよい」わけではないのです。

BMIの計算方法

BMIの計算式はとてもシンプルです。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

身長はセンチメートルではなくメートルで計算する点に注意してください。

具体例で見てみましょう。身長170cm、体重75kgの人の場合は、次のようになります。

75 ÷ 1.70 ÷ 1.70 = 25.95

この人のBMIは約26となり、後述する日本の基準では「肥満(1度)」に分類されます。

ただし、BMIには限界もあります。身長と体重だけから算出するため、筋肉が多いのか脂肪が多いのかを区別できません。筋肉質のアスリートがBMI上は「肥満」と出ることもあれば、逆にBMIは標準でも体脂肪率が高い「隠れ肥満」の状態もあります。あくまで目安の一つとして、体脂肪率など他の指標と合わせて見るのが賢明です。

判定基準

日本肥満学会の判定基準(大人)

日本肥満学会による成人の肥満度分類は、次の6段階に分かれています。

BMI (kg/m²)判定
18.5未満低体重(やせ)
18.5以上 25.0未満普通体重
25.0以上 30.0未満肥満(1度)
30.0以上 35.0未満肥満(2度)
35.0以上 40.0未満肥満(3度)
40.0以上肥満(4度)

このうちBMI35以上(肥満3度・4度)が「高度肥満」にあたります。

WHOの判定基準

世界保健機関(WHO)の国際基準は、日本とやや区分が異なります。

BMI (kg/m²)WHOの分類
18.5未満Underweight(低体重)
18.5以上 25.0未満Normal range(普通体重)
25.0以上 30.0未満Pre-obese(前肥満)
30.0以上 35.0未満Obese class I(肥満1度)
35.0以上 40.0未満Obese class II(肥満2度)
40.0以上Obese class III(肥満3度)

見比べるとわかるように、WHOではBMI30以上を「肥満(Obese)」としています。日本では25以上を肥満とするので、日本のほうが厳しめの基準です。これは、日本人を含むアジア人が、欧米人より低いBMIでも生活習慣病を発症しやすいという体質的な違いを踏まえたものです。同じ数字でも、国によって意味づけが違う点は覚えておくとよいでしょう。

子どもの判定基準

BMIは基本的に成人向けの指標です。成長期の子どもは体格が大きく変化するため、大人と同じ基準は当てはめられません。年齢によって、次のような別の指標が使われます。

乳幼児(生後3か月〜5歳) には「カウプ指数」が用いられます。計算式はBMIと同じ(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)ですが、判定の基準値が年齢によって変わります。

学童・生徒(6〜18歳) には「肥満度」が使われます。標準体重に対して実際の体重がどれだけ多いか(少ないか)を割合で示すものです。

肥満度(%) = (実測体重 − 標準体重) ÷ 標準体重 × 100

「小児肥満症診療ガイドライン2017」では、肥満度が+20%以上で、かつ体脂肪率が有意に増加した状態を肥満と定義しています。

なお、かつて学童の判定によく使われた「ローレル指数」(体重kg ÷ 身長m³ × 10⁷)という指標もあります。130前後が標準、160以上で太りすぎ、100未満で痩せすぎとされますが、身長の影響を受けやすい弱点があり、現在の医療現場では肥満度による判定が主流になっています。

妊婦の場合

妊娠中は赤ちゃんの分だけ体重が増えるため、BMIそのもので肥満を判定することはしません。代わりに、妊娠前のBMIをもとに「どれくらい体重を増やしてよいか」の目安が示されています。

こども家庭庁の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(2021年)」では、次のように定められています。

妊娠前のBMI体重増加量の目安
18.5未満(低体重)12〜15kg
18.5以上 25.0未満(普通体重)10〜13kg
25.0以上 30.0未満(肥満1度)7〜10kg
30.0以上(肥満2度以上)個別対応(上限5kgが目安)

この指針は2021年に、それまでの内容から約15年ぶりに改定されました。以前より、痩せ型・標準体型の妊婦さんの体重増加量の目安がやや引き上げられています。これは、過度な体重制限が母体や赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼすという知見を反映したものです。妊娠中の体重管理は自己判断せず、かかりつけの医師や助産師に相談しながら進めましょう。

適正体重の求め方

自分にとっての「適正体重(標準体重)」を知りたい場合は、最も病気にかかりにくいとされるBMI22を基準に、次の式で計算できます。

標準体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22

たとえば身長160cmの人なら、1.60 × 1.60 × 22 = 約56kgが適正体重の目安になります。

ただし、これはあくまで統計上の目安です。体重を減らす目的は「BMIを25以下にすること」そのものではなく、内臓脂肪を減らして病気を予防・改善することにあります。数字だけにとらわれず、健康な体づくりを意識したいものです。

この記事について:本記事の判定基準や数値は、日本肥満学会、厚生労働省 e-ヘルスネット、日本小児科学会、こども家庭庁が公開している情報にもとづいています。健康状態の判断や体重管理については、必ず医療機関にご相談ください。

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